薬剤ガイド

ウゴービの副作用|吐き気・脱毛・続く期間(2026)

執筆 HAVIT Editorial Team監修 HAVIT Medical Advisory · Editorial Medical Review Board
更新 2026-07-02· 10

本記事は一般的な情報提供のみを目的としており、専門医による診療・診断・治療の代わりとはなりません。健康に関する判断は必ず医療従事者にご相談ください。

結論

ウゴービ(セマグルチド)の副作用を解説。吐き気・下痢・脱毛など2.4mgでの発現率、続く期間、膵炎など重大な副作用、日本での適応条件と受診の目安まで医学監修。

結論(要点): ウゴービで最も多い副作用は消化器症状で、吐き気・下痢・嘔吐・便秘・腹痛です。多くは軽度で増量時に強くなります。2.4 mg まで増量するためオゼンピックより発現率は高めで、脱毛も添付文書に記載があります。まれに急性膵炎・胆のう障害・重度の胃内容排出遅延など重大な副作用が起こり、速やかな受診が必要です。

ウゴービはセマグルチドという成分の週1回注射で、GLP-1受容体作動薬です。成分は2型糖尿病治療薬オゼンピックとまったく同じ分子ですが、ウゴービは肥満症の治療薬として承認され、より高い2.4 mgまで増量する点が異なります。米国では心血管イベントの抑制などの適応も持ちます。

セマグルチドは主に胃の内容が出る速さを遅くすること、脳の食欲中枢に働くことで作用します。よくある副作用が消化器系に集中するのはこの機序が理由です。最も重要な数字は用量で、ウゴービは2.4 mg まで漸増するため、オゼンピックより副作用が多く報告されます。本ページは薬剤別の詳細解説です。GLP-1 全体はGLP-1の副作用まとめ(ハブ)をご覧ください。

01

ウゴービのよくある副作用

プラセボ対照の肥満症試験では、消化器系の副作用が最も多く報告され、明確な用量依存性を示しました。FDA 添付文書によると、5%以上にみられた副作用は吐き気・下痢・嘔吐・便秘・腹痛・頭痛・倦怠感・消化不良・めまい・腹部膨満・げっぷ・(2型糖尿病患者での)低血糖・鼓腸・胃腸炎・胃食道逆流症です。

添付文書が報告する発現率(ウゴービ 2.4 mg とプラセボの比較、成人 N=2,116 対 1,261)は次のとおりです。

(出典:FDA ウゴービ添付文書 Table 2。個人差があります。)

全体ではウゴービ群の73%が消化器症状を報告(プラセボ47%)しましたが、多くは一過性で増量期に集中しました。副作用で投与を中止したのは約6.8%(プラセボ3.2%)で、主な理由は吐き気・嘔吐・下痢でした。

ウゴービの吐き気(悪心)

吐き気はウゴービで最も多い副作用で、成人の約44%(プラセボは16%)にみられました。開始後や増量後の最初の数日に強くなり、体が慣れると落ち着くのが典型です。クリーブランドクリニックなどが勧める工夫は、少量をこまめに食べる、ゆっくり食べて満腹を感じたら止めるあっさりした低脂肪の食事食事とは別に水分をとるなどです。脂っこい揚げ物や甘すぎるものは悪化させます。吐き気が強ければ、増量に合わせ短期間の制吐薬を処方する医師もいます。(詳しくはGLP-1の吐き気対策。)

ウゴービの脱毛

オゼンピックの添付文書と違い、ウゴービの添付文書には脱毛(alopecia)が明記されています(成人でウゴービ3%対プラセボ1%)。ただし皮膚科医は、これをセマグルチドの直接的な毒性ではなく、効果的な治療に伴う急激な体重減少と栄養状態の変化が引き金となる休止期脱毛(telogen effluvium)によるものと一般に考えています。ウゴービは高用量まで増量し体重減少も大きいため、脱毛の報告が多くなります。抜け毛は引き金から約2〜4か月後に現れ、体重が安定すると自然に回復するのが通常です。食欲が落ちると不足しがちなたんぱく質と多様な栄養をしっかり摂ることが髪を守ります。長引く・部分的な脱毛は、鉄などの欠乏を確認しましょう。

嘔吐・下痢・便秘

嘔吐(24%)・下痢(30%)は多く、脱水という現実的な問題を招きます。ウゴービは喉の渇きや食欲も抑えるため水分不足になりやすい点に注意を。水分を保てないほどの嘔吐・下痢が続く場合は主治医へ。まれに重い脱水が急性腎障害を招くことがあります(後述)。便秘(24%)は胃腸の動きが遅くなるためで、食物繊維・水分・運動で改善しますが、強い腹痛・膨満・嘔吐を伴う場合は閉塞のサインのことがあります。

その他のよくある症状

げっぷ・胸やけ/逆流・ガス・膨満・倦怠感・頭痛・めまい・注射部位反応も報告されます。多くは軽度です。

02

副作用はいつまで続く?

多くの人にとって、よくある消化器症状は一時的です。吐き気などは、開始時や各増量から数週間で和らぐことが多く、体が慣れていきます(人により長引くこともあります)。副作用は用量変更の時期に集中するため、ゆっくり段階的に増量することが最も効果的な対策です。だからメーカーは、低い開始用量0.25 mgから始まる漸増スケジュールを設けています。

ウゴービの漸増は段階的で、0.25 mg(1〜4週目)→0.5 mg1 mg1.7 mgと4週ごとに上げ、2.4 mgの維持量には17週目ごろに到達します。添付文書は、ある段階に耐えられない場合は増量を4週間遅らせることを認めています(自己判断ではなく処方医の判断です)。数週間たっても症状が強い、または想定より急に体重が減る場合は主治医に相談を。用量を維持・減量することがあります。自己判断で用量を変えないでください。

03

用量と副作用:なぜ 2.4 mg で多くなるのか

ウゴービの副作用は強い用量依存性があり、ウゴービはオゼンピックより高い用量(2.4 mg 対 最大2 mg)まで増量します。これが、消化器症状が一般にウゴービで多く報告される主な理由です。だから最初から全量ではなく段階的に漸増します。忍容性を最も左右するのは増量の速さであり、つらい段階があれば医師がペースを緩められます。

04

重大な副作用と警告

以下は頻度は低いものの重要で、ウゴービが処方薬で医師の管理下に置かれる理由です。

急性膵炎

添付文書は、GLP-1受容体作動薬で急性膵炎(まれに致死的・出血性・壊死性を含む)が観察されたと警告しています。典型的な兆候は強く持続する腹痛(多くは上腹部、背中に放散することも)で、嘔吐を伴う場合もあります。服用を中止し速やかに受診してください。

胆のう障害・胆石

ウゴービ治療は胆石症・胆のう炎の増加と関連します。成人の減量試験では胆石症が約1.6%に報告され、手術が必要になることもあります。兆候は右上腹部の痛み・発熱・黄疸・灰白色便などです。

胃内容排出遅延・重度の消化器反応・誤嚥

ウゴービは設計上、胃の排出を遅くしますが、一部で問題になります。添付文書は重度の消化器反応を警告し、イレウス(腸閉塞)も記載しています。関連して、食べ物が胃に残ることで全身麻酔・深い鎮静時の誤嚥というまれなリスクがあります。手術や鎮静を伴う処置の前に、ウゴービ使用中であることを必ず医療者に伝えてください。

枠組み警告:甲状腺C細胞腫瘍

セマグルチドはげっ歯類の実験結果に基づき FDA の最も強い枠組み警告(Boxed Warning)として甲状腺C細胞腫瘍を記載しています。ヒトに当てはまるかは不明です。甲状腺髄様がん(MTC)または多発性内分泌腺腫症2型(MEN 2)の本人歴・家族歴がある人には禁忌です。首のしこり・嚥下困難・息切れ・持続する嗄声があれば報告を。

腎障害・低血糖・心拍数

市販後に急性腎障害(透析を要した例も)の報告があり、多くは吐き気・嘔吐・下痢による脱水が背景でした。ウゴービ単独では低血糖リスクは低めですが、2型糖尿病でインスリンやスルホニル尿素薬と併用すると上がります。添付文書はわずかな心拍数の増加や、2型糖尿病での糖尿病網膜症の監視にも触れています。

気分・自殺念慮

ウゴービは肥満症治療薬として、添付文書がうつ・自殺念慮・気分の異常な変化を監視し、現れたら中止するよう指示しています。補足として、2024年の正式な審査で FDA欧州医薬品庁(EMA) はいずれも、GLP-1受容体作動薬と自殺・自傷念慮との因果関係を支持する証拠はないと結論しました。それでも新たな・悪化する気分の変化は主治医に報告してください。

05

受診の目安:ウゴービ レッドフラグ表

症状・危険サイン考えられること対応
強く持続する腹痛(背中に放散することも)、± 嘔吐急性膵炎中止して緊急受診
右上腹部痛・発熱・黄疸・灰白色便胆のう障害・胆石速やかに主治医へ連絡
嘔吐・下痢が続き水分が保てない/尿が少ない・めまい脱水 → 急性腎障害の可能性主治医へ連絡、重ければ受診
膨満・腹痛・嘔吐を伴う強い便秘腸閉塞・イレウスの可能性医療機関で評価
首のしこり・嚥下困難・嗄声・息切れ甲状腺の警告サイン主治医へ連絡
震え・発汗・混乱・動悸(特にインスリン/SU薬併用時)低血糖低血糖に対処し主治医へ
新たな・悪化するうつや自傷の考え気分の変化主治医/相談窓口へ連絡
発疹・顔や唇・喉の腫れ・呼吸困難重いアレルギー反応救急要請

迷ったら主治医または救急に連絡を。この表は目安であり、専門家の判断に代わるものではありません。

06

日本での使い方の注意(肥満症の適応条件)

日本ではウゴービは2023年11月に薬価収載され、2024年に発売された肥満症治療薬です。厚生労働省の最適使用推進ガイドラインに基づき、対象は原則として高血圧・脂質異常症・2型糖尿病のいずれかを有し、食事・運動療法で十分な効果が得られず、BMI 27 kg/m² 以上で2つ以上の肥満に関連する健康障害がある人などに限定されます(BMI 35 kg/m² 以上を対象とする基準もあります)。用法は0.25 mg から開始し、4週ごとに 0.5・1.0・1.7・2.4 mg へ増量、以降 2.4 mg を週1回です。適応や施設要件は改訂されることがあるため、必ず医師に確認してください。なお、成分が同じオゼンピックは日本では2型糖尿病の適応で、肥満症・ダイエット目的の使用は適応外です。

07

オゼンピックとウゴービの違い

ウゴービオゼンピック
主な適応肥満症(条件あり)2型糖尿病
週の最高用量最大 2.4 mg最大 2.0 mg
副作用の傾向同じ消化器プロファイル・発現率は高め同じ消化器プロファイル
添付文書の脱毛あり(3% 対 1%)記載なし
枠組み警告甲状腺C細胞腫瘍甲状腺C細胞腫瘍

同じセマグルチドでも、ウゴービは高用量まで増量するため消化器症状・脱毛が多く報告されます。糖尿病用量の profile はオゼンピックの副作用ガイドをご覧ください。

08

副作用を軽くする工夫

  1. ゆっくり進める。 漸増スケジュールに従い、自己判断で早く増量しない。
  2. 少量・低脂肪の食事をこまめにとり、満腹を感じたら止める。
  3. こまめに水分をとる。特に嘔吐・下痢があるとき。
  4. 脂っこい・揚げ物・甘すぎる・加工食品を控える(吐き気を悪化させる)。
  5. 食物繊維+運動で便秘に対処。
  6. たんぱく質と緩やかな減量を心がけ、筋肉と髪(脱毛)を守る。
  7. 症状・用量・食事を記録し、次の受診で医師に見せる。
  8. 危険サインはすぐ報告。「様子見」で放置しない。

ウゴービの副作用は特定の日や用量に集中するため、「いつ・何を感じ・いつ打ち・何を食べたか」を毎日記録すると、診察がぐっと有意義になります。Havit アプリは、この記録を手間なくできるように作られています。用量・食事・体調を記録し、自分のパターンを可視化しましょう。(医療機器ではなく記録の相棒です。判断は必ず主治医に。)

09

よくある質問

1. ウゴービの主な副作用は? 消化器症状で、吐き気・下痢・嘔吐・便秘・腹痛です。FDA 添付文書では吐き気は成人の約44%(プラセボは16%)にみられ、多くは増量期に起こり一時的でした。

2. ウゴービで脱毛は起こりますか? 添付文書は成人の3%(プラセボ1%)に脱毛を記載しています。皮膚科医は、薬の直接毒性ではなく急激な体重減少と栄養変化による休止期脱毛によるものとし、体重が安定すると回復するのが通常です。

3. 副作用はいつまで続きますか? 多くは一時的で、開始時や各増量から数週間で和らぐことが多いです。ゆっくり増量すると強さも期間も抑えられます(人により長引くことも)。

4. なぜ吐き気が起こるの? 胃の排出を遅らせ、脳の食欲中枢に働くため、食べ物が胃に長くとどまり満腹感が強まるからです。特に開始直後や増量直後に感じやすくなります。

5. ウゴービの副作用はオゼンピックより強い? 同じ成分(セマグルチド)で profile は同じですが、ウゴービは高用量(2.4 mg)まで増量するため、消化器症状や添付文書上の脱毛はウゴービのほうが多く報告されます。

6. 注意すべき重大な副作用は? 急性膵炎(強い持続的腹痛)、胆のう障害・胆石、重度の胃内容排出遅延や腸閉塞、脱水による腎障害、低血糖(特にインスリンやSU薬併用時)、重いアレルギー反応です。速やかな受診を。

7. 用量が上がると副作用も強くなる? はい。用量依存性があり、0.25 mg から 2.4 mg へ段階的に漸増します。多くの症状は一定量のときより増量期に現れます。

8. 手術前に医師へ伝えるべき? はい。胃の排出を遅らせるため、麻酔時に誤嚥のまれなリスクがあります。手術や鎮静の前に使用を伝え、タイミングの助言を受けてください。

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参考文献

  1. FDA — WEGOVY(セマグルチド)添付文書(Prescribing Information, rev. 08/2025). https://www.accessdata.fda.gov/drugsatfda_docs/label/2025/215256s024lbl.pdf
  2. Wegovy.com(ノボノルディスク) — Wegovy Side Effects. https://www.wegovy.com/taking-wegovy/side-effects.html
  3. 厚生労働省/PMDA — 最適使用推進ガイドライン セマグルチド(販売名:ウゴービ皮下注). https://www.pmda.go.jp/files/000275486.pdf
  4. Dermatology Times — 急激な体重減少と脱毛(休止期脱毛). https://www.dermatologytimes.com/view/misuse-of-ozempic-for-rapid-weight-loss-can-cause-significant-and-perhaps-permanent-hair-loss
  5. FDA — Requests Removal of Suicidal Behavior and Ideation Warning from GLP-1 RA Medications. https://www.fda.gov/drugs/drug-safety-communications/fda-requests-removal-suicidal-behavior-and-ideation-warning-glucagon-peptide-1-receptor-agonist-glp

上記の医学的記載は、引用した FDA ウゴービ添付文書(rev. 08/2025)・厚労省/PMDA の資料・ノボノルディスク・主要病院の情報(2026年半ば時点)と照合済みです。添付文書・適応条件は随時更新されます。最新情報は主治医と公式の添付文書でご確認ください。

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関連記事

ウゴービのよくある副作用

副作用ウゴービ 2.4 mgプラセボ
吐き気(悪心)44%16%
下痢30%16%
嘔吐24%6%
便秘24%11%
腹痛20%10%
頭痛14%10%
倦怠感11%5%
消化不良9%3%
脱毛3%1%

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